第3回とよた演劇祭 『美術がうみだす舞台』 上演戯曲発表

 

2018年5月下旬、豊田市民文化会館にて選考会が行われました。

厳正なる選考の結果

 

『会議あるんですか』 作:テラ・マルミ

 

に決定いたしました。おめでとうございます。

 

[選考委員のコメント]

色々想像の余地があって面白い。登場人物のキャラが最初に設定されていないのが逆によい。
会話のテンポも良く、想定している俳優の動きが面白く、舞台美術、空間全体で遊べる可能性がある戯曲であった。

 

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[総評]

全体として、この世ではないものを扱った作品が多かった。幽霊もの、あるいはゲーム系やSF系。向こう側の世界、脳内世界、恨み、無念、妬み、嫉妬、殺意。世界がそこで閉じてしまっているという印象。そこを突き破ったり、反転させたり、広がりを持たせる作品が少なかった。また、社会や環境、時代、との接点も少ないように感じた。時代や環境の変化、閉塞あるいは、止まっている時間に対し、抗いあるいは流され葛藤しながら生きる人間の姿がみたかったように思います。

 

[選考委員]

杉山至 図師久美子 太田竜次郎 古場ペンチ とよた演劇祭実行委員会

 

[とよた演劇祭実行委員会 代表コメント]

豊田市ってトヨタ自動車の本社があると知らない人もいる中で、こんな小さなイベントに県内外から11作品の応募がありました。私共には嬉しい悲鳴です。誠にありがとうございました。今回は「舞台美術のイメージ図から、想像し創作した戯曲の募集」という新たな取り組みに挑戦しました。通常は戯曲が出来たのち舞台美術の製作が一般的ですが、そもそも人は音楽を聴いたり、写真を撮影したり見た時に、五感を遣った情報収集と、そこから己の内面にある感情とリンクさせて『寂しい、暗い、幸せそう、あの人元気にしているかしら?これはきっとユートピア』等々と想像や感情にアクセスするものです。ならば、舞台美術のイメージ図から、どんなアクセスをするのかしら?と興味を持ったのが始まりです。

何もない会議室の空間から舞台美術家 杉山至さんが想像し創作した舞台美術が戯曲執筆の手がかりにもなった今回のイメージ図でした。当初は、がっつり形のある舞台美術をお願いしましたが、至さんのアドバイスもあり、もっと抽象的にし作家の想像性に期待しました。

戯曲選考で大切なポイントは「舞台美術から想像し創作したのか」で、いくらイメージ図から想像したとしても自己完結や、読み手が想起できなければ今回の空間、美術でなくてもよいよね。となります。お客さまにきちんと届くのかを考えながら選考しました。

私共も皆さまの戯曲を手にしながら「寝不足だよね、どんな顔しながら書いていたのかな?」と想像し合いながら選考に臨みました。限られた時間の中で貴重な時間を当イベントに費やしてくれたことに、大変感謝しております。

想像のリレーは美術と戯曲から演出、ダンス、出演者と繋がれていきます。引き続き、とよた演劇祭を宜しくお願いします。

 


とよた演劇祭実行委員会 代表 図師久美子

第3回 とよた演劇祭 『美術がうみだす舞台』

■公演概要
[日] 2018年8月11日(土)/12日(日)
[会場] 豊田市民文化会館 大会議室
[舞台美術デザイン] 杉山至
[主催] とよた演劇祭実行委員会  公益財団法人 豊田市文化振興財団  とよた演劇協会
[後援] 豊田市 豊田市教育委員会
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【舞台美術あります。戯曲募集します。】


杉山至氏による舞台美術デザイン(HP画像とチラシ表面)からイメージされた日本語による戯曲を募集


―舞台美術からイメージして戯曲を書く――
 いつもとは逆転の創作をすることで、何か新しい形の特別な舞台が立ち上がるのではないか。これが今回のとよた演劇祭の試みです。舞台美術をお願いしたのは、日本演劇界で幅広く活躍されている杉山至さん。公演会場を実際に見てもらい「場所からイメージして美術を作ってほしい」と依頼しました。そこからできあがったのが、チラシ表面のデザイン画です。

―あなたは、この舞台に何を語らせますか――
 舞台美術のイメージ元になった場所は、かつて「国際会議室」の名で呼ばれ、文字通り国際会議ができるように同時通訳室があり、議長席や大きな馬蹄形の木製机がありました。現在はその役目を終え、その後の改築を経て、2017年秋、「大会議室」として再び活用されることになりました。改築しても消えなかった絨毯に残る机の痕跡、いまだ点灯に時間のかかる蛍光灯…。この古くも新しい場所を演劇空間として立ち上げます。

―戯曲執筆の手がかりを3つ展開します――
 ① 2月 舞台美術スケッチ(HP画像とチラシ表面は同一のものになります)
 ② 3月 舞台美術から新たなイメージを発見する実験(ファシリテーター:杉山至)
 ③ 4月 舞台美術最終デザイン(オフィシャルサイトにて公開)
 ※必ずしもすべて受け取る必要はありません。どれか一つだけを手がかりにしても結構です。
  手がかりを受けて、その都度リライトすることも可能です。

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■戯曲募集要項
<1:応募条件>
・当チラシ表面の、杉山至氏による舞台美術デザインからイメージされた日本語による戯曲
・一人一作品のみ
・上演時間30分~40分程度
・著作権・上演権・出版権が応募者本人にあるもの
・登場人物4人以上
・上演に際して、作者承諾の上で作品を改変・翻案することに同意できる方

<2:応募方法>
・作品原稿(表紙含む)をテキストデータ(ワード形式)で下記応募先まで送付してください
・表紙には作品名、作家名、枚数(400字詰換算)、登場人物、200字程度のあらすじを記載してください
・以下6項目を記載したデータも添付してください
 ①氏名(ペンネームの方は本名も) ②住所 ③電話番号 ④メールアドレス
 ⑤生年月日 ⑥略歴(演劇活動、他、簡単な経歴)
・既成の戯曲、小説、映画などから引用した場合は、その作品名および引用箇所を明記してください

<3:賞金>
 1万円(上演料を含む)

<4:応募先>
 とよた演劇祭 戯曲受付係 E-mail:toyotaengeki@gmail.com

<5:応募締切>
 2018年5月13日(日)

<6:注意事項>
・応募書類は返却いたしません
・応募条件に反している事実が判明した場合、応募が無効となります
・採用作品の著作権は作家に帰属しますが、2018年とよた演劇祭開催中の上演権はとよた演劇祭実行委員会に帰属します

<7:選考委員>
 杉山至、図師久美子、太田竜次郎、古場ペンチ、とよた演劇祭実行委員会

<8:採用作品の発表>
 2017年6月上旬予定。応募者全員にメールにてご連絡いたします

<9:問合せ先>
 とよた演劇祭実行委員会 e-mail:toyotaengeki@gmail.com
 とよた演劇祭オフィシャルサイト https://toyotaengekisai.jimdo.com/


■“イメージを発見する実験”参加者募集
ファシリテーターとして杉山至氏をお招きし、本公演の舞台となる「豊田市民文化会館大会議室」にて、舞台美術スケッチを元に“新たなイメージを発見する実験”を行います。
戯曲執筆や出演をお考えの方、空間美術や演劇の舞台美術に興味のある方、どなたでも参加可能です。

[日時] 2018年3月11日(日)13:00~16:00
[場所] 豊田市民文化会館 大会議室
[応募方法]
 とよた演劇祭実行委員会のメールアドレス(上記“問合せ先”参照)に
 以下2項目を送付下さい。
  ①氏名 ②電話番号
 応募受付の旨と、内容の詳細をご連絡致します。

■俳優募集要項
本公演に出演する方を募集します。
詳細は、後日、オフィシャルサイトにて公開します。

 

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戯曲募集チラシ表
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戯曲募集チラシ裏
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